加熱用のイカを生焼けで食べるとどのようなリスクがあるのでしょうか。
また、生焼けの見分け方や加熱時間も気になるところです。
そこで今回は、
・食中毒リスク
・適切な加熱時間
について詳しく解説します。
イカが生焼けか判断するポイント
お店や自分で焼いたイカが生焼けかどうかを判断するのは難しいですよね。
生焼けを判断するためのポイントとして
・身を押したときに程よい硬さと弾力を感じる
・竹串を刺したときに刺した竹串の箇所が温かい
この3つがあります。
では、この3つについて詳しく解説していこうと思います。
身が透明ではない
イカは生の状態だと身の色が半透明です。しかし、これを加熱すると透明感のない真っ白な身になります。
これはイカに含まれるタンパク質が加熱により変化するためです。
「身が全体的に白くなっている=きちんと加熱されている証拠」といえるでしょう。
ただし、一夜干しとなると色の変化が分かりづらくなるので、その場合は以下の2つを参考にしてください。
身を押したときに程よい硬さと弾力を感じる
イカの刺身を食べたことのある方は分かるかもしれませんが、イカは生の状態だと噛み応えのあるねっとりとした硬さがありますよね。
一方で、加熱したイカは弾力がありながらも歯切れのよい硬さになります。
なぜこのような違いが出るのかというと、イカには多くのコラーゲンが含まれているからです。
このコラーゲンは加熱していくことでゼラチンに変わり、筋繊維を柔らかくします。
そのため、加熱がしっかりとされているイカは程よい硬さと弾力が出るようになります。
イカに刺した竹串部分が温かい
この方法は、肉や魚の生焼けを確認する方法としても使えます。
焼けたと思ったら竹串を刺して、刺した竹串部分を下唇の更に下に当てます。
「なぜ下唇の下で確かめるのか?」というと、この部分は感覚が鈍く熱を感じづらいとされているためです。
感覚の鈍い部分で熱さを感じる事が出来れば、加熱されているかどうかを確認することができます。
イカが生焼けだと食中毒になる?
生焼けのイカを食べることで起きる食中毒の原因は2つです。
アニサキスは寄生虫で、生のイカに寄生していることがあります。
見た目は白く、おり糸のようで2~3cm程の長さです。
目視できる大きさではあるので、イカをさばいた時にこのような見た目のものが無いかを確認すると良いかもしれません。
症状としては胃アニサキス症と腸アニサキス症の2つに分けられます。
胃アニサキス症は胃壁がアニサキスに対して起こすアレルギー反応で、腸アニサキス症はアニサキスが腸に刺さることが原因とされています。
2つとも症状はほとんど同じで、激しい腹痛と嘔吐、吐き気です。
✔腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは海水中に生息する細菌です。
イカや生魚に付着した腸炎ビブリオによって食中毒が起こります。
調理時に使用したまな板や包丁からの二次汚染も発生するため、イカや生魚を調理した後の調理器具は念入りに洗浄、殺菌する必要があります。
症状としては腹痛や発熱、嘔吐や吐き気があります。
イカの生焼けにならない加熱時間は?
前述したアニサキスと腸炎ビブリオの予防法は適切な加熱です。
ここでは、それぞれに適した加熱時間と温度について解説していきます。
アニサキス
アニサキスは60℃以上で1分加熱すれば死滅します。
加熱するだけでなく、マイナス20℃で24時間冷凍でも死滅させることが可能です。
「じゃあ、冷凍イカにはアニサキスがいないから加熱用を生で食べても安全なのか」というとそういうわけでもありません。
販売されている冷凍イカがこの「-20℃で24時間」を実施しているとも限らないので、生や冷凍関係なくきちんと加熱して食べることをおすすめします。
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは61℃以上で10分間の加熱で死滅させることができます。
また、アニサキスとは違い腸炎ビブリオは冷凍で死滅させることはできませんが、-10℃以下の環境で増殖を抑えることも可能です。
上記のように、十分に加熱もしくは一定の条件下で冷凍すればイカの食中毒は防ぐことができますね。
また、事前に湯通しすることで、イカ料理の焼き時間を短縮するメリットがあります。実際に中華料理のイカは湯通しや油通しされていることが多いです。
まとめ
イカが生焼けのままだと食中毒の心配があることが分かりました。
生焼けのイカの色や食感から、生焼けかどうかを判断しましょう。
また、調理時間を短縮したい場合は、事前に湯通しをしておくと安心ですね♪