映画「昼顔」は、ドラマ版から3年後の世界です。
海辺の街でひっそりと暮らす紗和、その街に偶然にも講演会のため訪れた北野先生。
2人はバッドエンドとも思える結末を迎えるのですが、最後に子どもが出てきたシーンがかなり意味深でした。
紗和の子ども?指輪の行方は?
謎が多いラストシーンについて考察しました!
昼顔・最後のシーンの子供と指輪について考察
私は最初、子どもが出てくるラストシーンを見た時に「男の子は紗和(上戸彩)と北野先生(斎藤工)の子供かな?」と思いました。
どことなく男の子が北野先生に似ていたからです。
けれども、よーく見てみると、その顔は講演会で質問した男の子でした。
そう考えると昼顔のラスト子供たちのシーンは、北野先生の死からそれほど時間が経っていないと推測。
「たまたま男の子が指輪を見つけ、好きな女の子に嵌めてあげる」といった最後ということになります。
もし男の子・女の子のどちらかが紗和の子供だったら、時を経て指輪は紗和の元に……となるんですが、見知らぬ子たちが見つけたことで、紗和が指輪を見つける機会は永遠になくなってしまいました。
私はこのラストシーンを、バットエンド「許されない不倫の結末」だと感じました。
紗和に子どもが出来たのは希望の暗示や救いだと思いますが、北野先生の形見ともいえる「指輪」までは手に入れることが出来なかった。
永遠に紗和の指には嵌らない指輪。
不倫を肯定しないラストシーンだったと思います。
一方で「男の子=北野先生、女の子=紗和」と置き換えて、もうひとつのハッピーエンドとして見ることも出来るのですが、あえて顔が分かっている講演会の男の子を使っているので、その線は薄いと思いました。
昼顔のレビュー・感想
ドラマ版が完成度が高かったので、映画化されると聞いた時は一抹の不安があったんですが、総合的に満足でした。
点数は、90点!
良かったポイント
ドラマ版から受け継がれた情緒
夕日、自転車などドラマ版の昼顔は情緒を感じる演出でした。
真っ赤な夕日の中、自転車で駆け抜ける姿は紗和の隠された内面を表しているよう。
映画も同様で夕日こそないけれど、海やホタルがその役割を担っていたと思います。
脇を固める共演者の名演技
乃里子(伊藤歩)、カフェのオーナー杉崎(平山浩行)、カフェの店員(黒沢あすか、荻原みのり)の演技が地に足がついたものでした。
当初、映画化では新しい出演者と聞いた時は、正直どうかな……と思ってたんですが、ハマってましたね!
杉崎は紗和に「奪われた側の痛み」を突きつけ、店員の女性2人も「身近にこういう人いる」って感じで言動もすごくリアルでした。
紗和と北野先生の関係を第三者が冷ややかに、でも最後は人間として紗和に歩み寄ろうとしているのが良かったです。
そして極めつけは乃里子!
切ないんだけど、やっぱり怖い……。
要所で見せる、眉や口角をあげる表情が上手いな~と思いました。
いまいちだったポイント
後味の悪さ
究極に悲しいラストでした。
不倫を肯定しない映画でしたが、北野先生の死はあまりに大きな代償じゃないでしょうか。
後味が悪すぎ(笑)
また、紗和が乃里子とマンションで対峙するシーンでは、紗和の自分勝手な言動にイライラ。
結果的にその時の言葉がきっかけで、悲惨なラストを迎えてしまうわけですが。
ただ、1回目視聴した時は「これはないわ……」と思いましたが、何回も見直すとあのラストで良かったと思えるようになりました。
当時の不倫に対する風当たりなども考えると、2人はそう簡単に幸せにはなれるはずないです。
【映画】昼顔 その後はどうなる?紗和の未来を勝手に予想
紗和はその後、シングルマザーとして子供を育てていくんでしょうね。
再婚はどうでしょう(笑)
執着とも思えるくらい北野先生を愛していた紗和ですが、恋愛体質な面もあると思うので、ひょっとしたらカフェのオーナーと再婚あるかも。
ずっと死ぬまで紗和が一人って、あんまり想像できません。
もう一つの結末!小説(ノベライズ)版「昼顔」の最後は?
別れから3年後、紗和は北野先生との子供を産み育てていた。
一方、北野と乃里子も離婚。
子供と一緒にいた紗和の靴紐がほどけ、靴紐を結び直して顔を上げるとそこには北野先生が立っていた。
というのが、小説版の結末。
映画とは打って変わって、ハッピーエンドですね。
昼顔の最後ラストシーンの意味 まとめ
映画の最後は口コミでも賛否両論でした。
私も「ありえない!」と思いましたが、時間が経つと受け入れられるように。
ドラマからの映画化ってあまり好きではなかったんですが、昼顔は映画になっても名作だなーと思わせてくれる作品でした。